第2回 出前授業奮闘記

筆者:杉谷 晴海

5月30日に岡山市立旭操小学校で出前授業を行いました。

その一週間ほど前に校長先生から「あなたの経験を生かして、水道局の仕事のことを4年生の子供たちに喋ってもらえませんか。」と直々に話がありました。私は地域に開かれた学校づくりをめざす学校評議員の一員になっている関係もあり、お役に立てるならと引き受けました。

私の知っていることを喋ればいいんだから、と気安く考えていたのですが、担任の先生との打ち合わせで「浄水場見学は都合がつかない、水道の授業は済ませている、時間は授業のひとコマ45分」となって、「これは大変だ。」何か工夫がいるなと準備にかかり、水道局の後輩にも応援を頼むことにしました。

多目的教室に4年生全員91名が入ってきました。課外授業に子供たちも神妙にしています。担任の先生がたに加え校長先生がカメラを抱えて後ろに立っておられます。やはり緊張しました。

先ず、暮らしの中で水がどのように使われているかをたずねたところ、我先にと手があがり、料理から洗濯にとどまらず、プール、花への水やり、金魚の飼育から薬を飲むときなど次々と子供に身近な答を出してくれました。プロローグは上々です。そして水の循環から水道が届くまでと水の大切さについてパワーポイントを使って話したのですが、飽きさせないように、また水道を身近に感じてくれるようにとクイズを取り入れました。

岡山市で一日に使う水の量は小学校の体育館の何倍か、人間の体のなかの水分の割合はいくらか、などというものです。このときばかりはワイワイガヤガヤとみんな一生懸命に考えてくれました。

45分のうち、私の持ち時間は約30分でアッというまに終わり、残りの時間で局職員による浄水実験をしてもらいました。ペットボトルを使った凝集剤でのフロック生成実験は大いに盛り上がり、予定時間をオーバーするほどになりました。

最後にボトル水「おかやまの水」を1本ずつプレゼントして「授業」を終えましたが、子供たちの知識吸収意欲と純粋さには本当に圧倒されました。校長先生からは「普段の勉強とは違ったいい授業でした。子供たちの目が輝いていましたよ」とお褒めの言葉をいただき、半分は社交辞令としてもいい経験をさせて頂いたと思っています。

後日、子供たちからお礼の手紙を頂きました。一人一人が「杉谷のおじさん、水道の話をありがとう」と鉛筆で書いています。予想だにしていなかったことで、とても感激いたしました。担任の先生のお気遣いとともに、今度機会があったらもう少し頑張って、将来を担う子供たちに水道応援団になってもらうよう「いい授業」をしたいと思っています。

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