第12回 経営コンサルとしての専門性獲得のために

筆者:山口 岳夫

水道界でコンサルというと技術コンサルのことですが、社会一般でコンサルというと経営コンサルタントのことを指します。数年前から、経営コンサルタントとしてのスキルを学ぶために中小企業診断士の資格を目標にチャレンジしています。最も有名な経営コンサルの資格はMBAですが、日本の中小企業向けというだけで中小企業診断士も本質的には同じものです。

診断士の試験は1次、2次筆記試験に面接や実務補習で構成されます。1次試験では企業経営に最低限必要な「経済学」「財務・会計」「経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報」「中小企業政策」の知識が問われ、2次試験では、事業の戦略を「組織と学習」「マーケティング」「運営管理」「財務」の切り口で紙上コンサルします。

仕事がら勉強時間をとりにくく、技術屋思考に凝り固まった頭を解きほぐさないのですが、これがなかなか難しく、なかなか合格できません。よって、少しでもスキルを獲得するため、09年から日曜隔週の専門学校に通ってます。

学校の授業は大変面白い。講師はもちろん有資格者で、体験に理論を乗せた話は大変興味深いです。また、学生のほうも、実学系から理論派まで。若手から年配の方まで。将来の経営者候補、幹部登用条件として経営資格が必須な人、そんな資格とっても給料上がらないよと先に宣言されてむかついてる奴(私だ!)などとさまざまです。

勉強するのはもっぱら経営のあり方なので、技術とはまた違った視点がそこにあります。事業継続への執念。利益と給与と納税を通じた社会貢献の意義。出資者の取り分がリスクに対していかに少ないか...税金が確実に40%以上持っていくのと好対照です。

さらに、実際のコンサル事例が試験問題になっているので,水道機材屋や浄化槽維持会社,生コン業者が例題になったこともありました。各社の苦悩ぶりといったら...涙を禁じえません。

私としては,技術と経営の両面でのコンサルティングスキルを磨き、そのシナジーで水道界に貢献したいと思っています。水道を支える企業もそうですが、水道事業も規模的には中小企業、組織構築や運営管理などのノウハウはそのまま役にたちますので。

まあ...おかげで発言がどんどん「エキセントリック」になってきてますが、その辺は努力の副作用としてお許し願いたく。

もし、このような学びに興味のある方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。ともに学びましょう。

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