地球温暖化と自転車通勤

筆者:杉山達範

10月に入り、冬向けのCMが流れ出している。スタッドレスタイヤや暖房機、冬仕様のビールなどなど「冬支度を急ぎなさいよ!」と言われているようで、焦る・・・5年前に建てた我が家だが、今冬の大雪で致命的な欠陥が露呈した。
それは、LPガスの運搬路問題!ガレージを増築したことで、庭が雪で塞がり…LPガス(都市ガスではない)が補充できない状況に。ガレージを建てる前までは業者さんが雪を漕いでどうにか運搬してくれたが、今冬は裏の敷地を通らせてもらうことに・・・
雪がなければ住みやすいところだけどな~、というのが地元民の会話の定番だが、自衛隊が出動したほどの大雪明けの年だからこそ、実感がこもる。ぼやいても、通路確保の冬囲いは待ったなしだ。

写真1 冬囲い箇所(赤線がLPガスボンベ運搬路)

改めて気象庁の積雪データを眺めた。12月中旬の降り始めから一気に根雪になった印象だが、やはりそうだ。子供の頃と違っている・・・。12月31日には126㎝に達し、雪下ろししないとまずいレベル。屋根上で正月のあいさつをしたのは幻ではなかった。正月にゆっくり飲み食いした記憶もない・・・

写真2 左は自宅玄関先の降雪状況(R3.1.4撮影) 右は自宅玄関先の普段状況(R3.9.22撮影)

気象キャスターの和田幸一郎さん(秋田地方気象台の元台長、現在は秋田朝日放送トレタテ!に出演中)が、異常降雪の年は日本海の海水温が平年より4~5度高いのだと言う。海水温の上昇も地球温暖化の事象の一つだが、雪の降り様に影響するとは思いもしなかった。地球温暖化が気象を極端化させることはIPCCも言っていたが・・・。
今から30年前くらい前に地球温暖化という言葉を初めて耳にしたように思う。学生だったので、「雪が少なくなると助かる!山にだけは降って欲しいよな。」と思っていた無知が恥ずかしい。地球温暖化が引き起こす事象は、言葉から単純に受け取ってはいけない。

地球人何億人分の一人として何かしないと、という気持ちはあるが、やれるところからやっていこうかなという現実路線も頭に過る。現実路線として4月から始めたのが通勤手段の見直し。
自転車を仙台で購入し、自転車通勤を始めた。自転車通勤を長く続けるために重視したのは、退路断つこと、そして他人にあまり見られないこと。「退路を断つ」は、自転車をわざわざ仙台で購入したことで対策済。「他人にあまり見られないこと」は、通勤路の選定が重要。職場などでネタにされるのが嫌だから。国道や県道を通らずに職場にたどり着く裏道ルートを決め、4月から通勤を開始した。娘の学校前を通るため、娘に散々文句を言われたが気にしない。気にしない。

写真3 マイ通勤用自転車(コロナ対策ではありません。)

自転車通勤にはメリットデメリットあるが、通勤途中に体感できる事象も多い。地域の複雑で微妙な高低差もその一つ。なぜ、この場所にこれほど水が集まって、内水氾濫状態になるのか?!この場所に水が集まるようになっている訳が分かる。水道の現場踏査でも似たようなことがある。
当たり前だが、水は高いところから低いところに流れるのだ。
微妙なこう配を自動車で感じることは難しい一方、年齢も考えずに力いっぱいこう配に逆らって自転車を漕ぐとドット汗が噴き出す。自動車通勤では感じ得ないが、高低差を克服するエネルギーが意外に大きく感じる。水道に復帰し、CO2削減も我がミッションとなった。「水は高いところから低いところに流れる」ことを基本に据え仕事をせねばと、自転車を漕いでいる。

今冬の大雪を経験し、異常な雪の降り様だけはご勘弁願いたい。家を新築してしまったので、この地に住み続けるしかないのだが、異常降雪とこれからどうつきあっていけばいいのかという悩みもある。ここ数年だけの問題ではなく、自分の体力低下も見据えながらの対策(屋根融雪や間口融雪)も視野に入れないといけないのかなと、家族とも話すようになった。地域課題としての雪処理(高齢者の屋根雪下ろしなど)も、解決できなければ、人口減少が加速し、水道収益も減るだろう。
自転車通勤も終わりに近づいた10月中旬。地球温暖化対策を加速させることが、あらゆる悩みの解消に繋がるようになれば良いと考えている。