第18回 セブ便り

筆者:永井 康敏

【日本の常識?】について

写真1~3はともに漏水修理工事現場の写真です。作業員は、帽子もかぶらず、半ズボン、サンダルで仕事をしています。

日本での工事現場では考えられない光景です。 ヘルメット、軍手、安全靴、土留め、工事作業帯、バリケード、交通整理員等々日本の工事現場では常識としてあるべき姿がほとんど見られませんでした。写真2ではかろうじてカラコーン、水道工事中の標識が見られます。日本のKYT(危険予知トレーニング)活動にはぴったりの写真データになります。

でも、働いている方たちは明るく元気に、のどかに(私の感想)漏水修理の仕事をしています。市民からの苦情は何もありません。

一方、日本では、通行人が、あるいは自転車が穴に落ちたら大変なことです。水道用マンホールや仮復旧跡の1cmの段差でも通行人が転んでケガをしたら大変なことです。工事中も、断水、騒音、振動、渋滞等市民からの苦情対応も大変です。

日本の常識とのギャップの大きさに、私の脳裏はいろいろと錯綜してしまいました。今回は議題にはしませんでしたが、是非、日本の水道工事現場を見せたい。そのうえで彼らの感想を聞いてみたいと思っています。

漏水修理工事現場写真1

漏水修理工事現場写真2

漏水修理工事現場写真3

写真4,5は、東南アジアではよく見られるという水道メーターの乱立状態(見ようによっては整然と設置されている)、メーターの下流に続く給水管は想像通り露出配管で20本近くが錯綜している状況です(スパゲティ配管ともいわれているそうです)。日本の水道では想像できない光景です。

写真4:公設水道メーター

写真5:私設水道メーター

我々が浄水場近くの住宅地(貧困層)にある共用水栓で残留塩素を測定したところ予想に反して0.6㎎/lありました。水質データでも問題がなかったので写真8に映っているおばちゃんの前で調査団全員が試飲しました。「おいしくて安全な水道水ですよ」と言ったところ、おばちゃんは「この水道水は飲めるんだって! ペットボトルを買わなくても大丈夫なんだって!」と叫びながら近所のおばちゃんたちに宣伝しはじめました。集まってきた皆さんも、ことのほか喜んでいました。この顛末を当局トップに報告したところ、非常に喜んで今後は水質検査で確認しながら地域単位で水安全の広報をしていきたいとおっしゃっていました。

写真6:パックテストでの残留塩素試験

写真7:試飲する当方調査員

最後になりましたが、夏らしい海の写真を紹介します。写真8,9で場所を予想できましたでしょうか?(写真8はセブ空港のあるマクタン島ラプラプ市のリゾート海岸、写真9はそこからさらにボートで約40分のリゾート専用島(?)です。横浜ウォータ(株)がJICAの仕事を受注し、今年の3月にフィリピン・メトロセブへ行ってきた際の一端を紹介させていただきました。

写真8:パラセーリング

写真9:アイランドピクニック

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